蝶番とは盤扉の開閉の為に用いる金具であり、中央の管状部分にピンを通して回転させる構造となっている。語源は蝶の番(つがい)であり、ヒンジとも言われています。
蝶番は古文書の和歌などに「てふつがひ」と出てくる事から、古くより使われた日本語とされています。現存最古の金属製蝶番は、正倉院所蔵の赤漆文欟木厨子(せきしつぶんかんぼくのずし)の両開き扉に使用されている金銅製蝶番であり、7世紀初期のものと推定されています。元来「てふつがひ」と呼ばれていた蝶番は、屏風などの双折(もろおれ)に使われていたものを言い、表裏どちらにも折りたたむ事ができる日本独自の仕掛けでした。但し、現代蝶番の基になったものは、幕末から明治時代に建てられた西洋建築の窓に付けられていたヒンジからだと言われており、その流れを汲んだ単純な平蝶番を主に蝶番と呼ぶようになりました。